成年後見制度の保佐人とは?成年後見に詳しい司法書士が解説!
こんにちは、「相続お悩み相談窓口」のコラムを執筆する司法書士の久我山左近です。
今回のコラムは、かなりニッチな内容になりますが「成年後見制度の保佐人とは?成年後見に詳しい司法書士が解説!」というテーマで、成年後見制度の保佐人について成年後見制度に詳しい司法書士がわかりやすく解説いたします。
成年後見制度の保佐人は、後見人や補助人と何が違うのか?成年後見制度の保佐人の役割りや責任について解説いたします。
ぜひ、今回の記事を読んでいただき、成年後見制度の保佐人に関する基本的な知識について身に付けていただきたいと思います。
成年後見制度の保佐人の役割りと責任について!司法書士が解説します。
まず、成年後見制度については以前のコラム「成年後見制度とは?相続に詳しい司法書士がわかりやすく解説!」で詳しく解説をしていますので、ぜひそちらもご覧になってください。
さて、今回のコラムはかなりニッチなテーマで成年後見制度の保佐人にフォーカスして解説をいたします。
読者の皆様も成年後見人という言葉は聞いたことがあっても、「保佐人」や「補助人]という言葉はなかなか聞いたことがないと思います。後見人とは何が違うのか、共通点はあるのかなどを解説いたします。
以下の表は、成年後見制度を簡単な図にしてみましたので、ぜひご覧になってください。
高齢になり認知症などで成年後見制度を必要としている方の中にも、寝たきりで判断能力がほとんどない方もいますし、身の回りのことはある程度は出来るけど契約などの判断は一人でできないという方もいらっしゃいます。
成年後見制度を運用する家庭裁判所は、ご本人の判断能力を医師の診断書を基に「後見相当・保佐相当・補助相当」の3段階に分けています。
- 後見相当:常に判断能力がない
- 保佐相当:判断能力が著しく不十分
- 補助相当:判断能力が不十分
後見人、保佐人、補助人はそれぞれ権限が違います。
それぞれ、後見人、保佐人、補助人によって権限が違いますが、後見人は本人に代わって契約などの法律行為を行うことができるのに対し、保佐人と補助人は本人が行う法律行為に保佐人または補助人が同意することにより法律的に効果が認められることになります。また、同意を得ないで行った契約は取り消すことができます。
【民法で定められている保佐人・補助人の同意権や取消権の内容】
- 貸したお金の返済やお金を貸し付けること
- 借金をしたり、保証人になること
- 不動産などの重要な財産を取得や売却をすること
- 訴訟を起こしたり取り下げること
- 贈与や和解などをすること
- 相続の承認や放棄、遺産分割をすること
- 贈与を拒否や、遺贈の放棄すること、負担付贈与や遺贈を受けること
- 建物の新築、改築、増築、修繕をすること
- 一定の期間を超える賃貸借をすること
保佐人の権限を詳しく!司法書士が解説します。
保佐人には後見人と違って基本的には代理権がありません。その代わりに前述した民法で決められた法律行為については同意権が与えられています。
同意権は、本人が不動産の売却といった重要な手続きを行う場合に、保佐人が同意を与えることになります。また、保佐人の同意をしないで行った手続きは保佐人が取消すことができます。
なお、保佐人は成年後見制度の利用開始の申し立て後に別途追加で申し立てを行うことで、同意権だけではなく代理権を付与することができます。また、民法で規定されている法律行為以外についても同意権を付与することができます。
どうでしょう、成年後見制度の保佐人についての理解が深まりましたでしょうか?
当コラムを運営する「相続放棄お悩み相談窓口」では、成年後見制度の手続きについての無料相談だけでなく、成年後見制度の実際の手続きについてもサポートすることができますので、ぜひお気軽に当サイトの無料相談を利用していただきたいと思います。
ここまでで、今回のコラム「成年後見制度の保佐人とは?成年後見に詳しい司法書士が解説!」の解説は以上になります。
それでは、久我山左近でした。